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kitgenをVisual Studio 2012でビルドする

kitgenが正式にサポートしているのはVC6からVC8(2005)までです。
VS2008~VS2013についても、いくつか変更を加えてやればビルドできます。

ただ、これはTclに限ったことではないのですが、VS2012で普通にビルドした実行ファイルはXPで動作しません。SDK 7.1Aにリンクすればビルドできますが、VS2010以前を持ってる人にとっては面倒なだけでメリットがないので古いVSを使った方がいいです。(参考ページ)。

あと、これはいいのかどうか分かりませんが、VC6でビルドするとOS標準添付のC++ランタイム(msvcrt.dll)をリンクするので、別途ランタイムをインストールすることなく動作します。MinGWでビルドした場合もそうなるのでまあ問題ないんじゃないでしょうか。

kitgen/Makefile.vc

70c70
< CFLAGS  = -W3 -D_WINDOWS -DWIN32 -DSTATIC_BUILD
---
> CFLAGS  = -W3 -D_WINDOWS -DWIN32 -DSTATIC_BUILD -D_CRT_SECURE_NO_WARNINGS
142c142,148
< !if $(VCVERSION) >= 1500
---
> !if $(VCVERSION) >= 1800
> VCVER=12
> !elseif $(VCVERSION) >= 1700
> VCVER=11
> !elseif $(VCVERSION) >= 1600
> VCVER=10
> !elseif $(VCVERSION) >= 1500

kitgen/8.x/mk/tcl/mk4tcl.cpp

2597c2597
< EXTERN int Mk4tcl_Init(Tcl_Interp *interp) {
---
> int Mk4tcl_Init(Tcl_Interp *interp) {
2601c2601
< EXTERN int Mk_Init(Tcl_Interp *interp) {
---
> int Mk_Init(Tcl_Interp *interp) {
2605c2605
< EXTERN int Mk4tcl_SafeInit(Tcl_Interp *interp) {
---
> int Mk4tcl_SafeInit(Tcl_Interp *interp) {
2609c2609
< EXTERN int Mk_SafeInit(Tcl_Interp *interp) {
---
> int Mk_SafeInit(Tcl_Interp *interp) {

kitgen/8.x/mk/tcl/mk4tcl.h

382a383,391
> 
> 
> EXTERN int Mk4tcl_Init(Tcl_Interp *interp);
> 
> EXTERN int Mk_Init(Tcl_Interp *interp);
> 
> EXTERN int Mk4tcl_SafeInit(Tcl_Interp *interp);
> 
> EXTERN int Mk_SafeInit(Tcl_Interp *interp);

kitgen/8.x/itcl/win/rules.vc

195c195,201
< !if $(VCVERSION) >= 1500
---
> !if $(VCVERSION) >= 1800
> VCVER=12
> !elseif $(VCVERSION) >= 1700
> VCVER=11
> !elseif $(VCVERSION) >= 1600
> VCVER=10
> !elseif $(VCVERSION) >= 1500

kitgen/8.x/mk/win/rules.vc

187c187,195
< !if $(VCVERSION) >= 1400
---
> !if $(VCVERSION) >= 1800
> VCVER=12
> !elseif $(VCVERSION) >= 1700
> VCVER=11
> !elseif $(VCVERSION) >= 1600
> VCVER=10
> !elseif $(VCVERSION) >= 1500
> VCVER=9
> !elseif $(VCVERSION) >= 1400
189,190d196
< _VC_MANIFEST_EMBED_EXE=if exist $@.manifest mt -nologo -manifest $@.manifest -outputresource:$@;1
< _VC_MANIFEST_EMBED_DLL=if exist $@.manifest mt -nologo -manifest $@.manifest -outputresource:$@;2
195a202,205
> !if $(VCVERSION) >= 1400
> _VC_MANIFEST_EMBED_EXE=if exist $@.manifest mt -nologo -manifest $@.manifest -outputresource:$@;1
> _VC_MANIFEST_EMBED_DLL=if exist $@.manifest mt -nologo -manifest $@.manifest -outputresource:$@;2
> !endif

kitgen/8.x/thread/win/rules.vc

195c195,201
< !if $(VCVERSION) >= 1500
---
> !if $(VCVERSION) >= 1800
> VCVER=12
> !elseif $(VCVERSION) >= 1700
> VCVER=11
> !elseif $(VCVERSION) >= 1600
> VCVER=10
> !elseif $(VCVERSION) >= 1500

kitgen/8.x/vqtcl/win/rules.vc

195c195,201
< !if $(VCVERSION) >= 1500
---
> !if $(VCVERSION) >= 1800
> VCVER=12
> !elseif $(VCVERSION) >= 1700
> VCVER=11
> !elseif $(VCVERSION) >= 1600
> VCVER=10
> !elseif $(VCVERSION) >= 1500

8.6.1をビルドするには、kitgen、Tcl、Tkのソースをダウンロードして、
以下にコピーします。

C:\src\kitgen
C:\src\kitgen\8.6.1\tcl
C:\src\kitgen\8.6.1\tk

Visual Studioのコマンドプロンプトを開き、

mkdir C:\src\kitgen\8.6.1\kit-msvc
cd C:\src\kitgen\8.6.1\kit-msvc
echo all: lite heavy > Makefile
echo !include ..\..\Makefile.vc >> Makefile
nmake -f Makefile.vc -nologo VERSION=86 KITOPTS=”-t -z”

ちなみに、tdbc関連のモジュールが大量にビルド失敗しますが、使わない限りは問題ありませんでした。

kitgen+VC6でtclkitを作るときの注意点

TclAppを使うと、Tcl/Tkのスクリプトと実行環境を単一のEXEファイルにラップすることができるのですが、このときprefixファイルといって、ベースとなる実行ファイルを指定する必要があります。これをtclkitとかbasekitとか呼び、標準ライブラリや最低限のエンコーディングファイルなどが含まれていて、自分で開発したアプリに必要な、スクリプト一式、ライブラリ、エンコーディングなどを、TclAppを使って追加することで単体のアプリとして動作するようになります。アイコンやバージョン情報なども、prefixに組み込まれているものを置き換えることもできます。

prefixとして使えるファイルは、実はActiveTclにbasekitという名前でついてきます(Tcl/binフォルダにある)。これがあれば別に自分でtclkitを入手する必要はないのですが、2点ほど問題があります。

  • 実行ファイルのサイズが比較的大きい
  • バイトコードコンパイルすると、スペースおよびマルチバイト文字を含むパスから起動できない

ということで、私にとっては不都合だったので、basekitをやめてtclkitを使うことにしました。tclkitのWindowsバイナリはTcl8.5.13まではhttp://www.patthoyts.tk/tclkitで配布していたのですが、8.5.14がなかなか出ないなあと思っていたら今日見たら落ちてました。また、配布しているものにはtzdataというタイムゾーンの定義ファイルがないので、時刻表示が狂う場合がありました。そういう理由があって、自分でコンパイルすることにしました。前置きが長くなりましたが、以下がその手順です。Windows7 Professional SP1 32bit上で試しました。

必要なものをそろえる

Visual Studio 6.0 (Visual Studio 2003でもいいと書いてあった。)
Microsoft Platform SDK Febuary 2003 (Last version with VC6 support)

kitgenのソースコードを取ってくる

C:\src\kitgenに展開。

Tcl/Tkのソースコードを取ってくる

C:\src\kitgen\8.5\tcl
C:\src\kitgen\8.5\tkに展開。

ビルド用のフォルダとMakefileを作る

VC6のコマンドプロンプトを開く
mkdir C:\src\kitgen\8.5\kit-msvc
cd C:\src\kitgen\8.5\kit-msvc
echo all: lite heavy > Makefile
echo !include ..\..\Makefile.vc >> Makefile

リソースファイルを編集する

これはお好みですが、kitgenに添付されているものを使うと、TclAppでバージョン情報を編集できなくなるので、変更することをお勧めします。
C:\src\kitgen\tclkit.rcをテキストエディタで開き、CommentとPaddingを削除する。

            VALUE "Comments", "Comments\0More Comments\0"
            VALUE "Padding",
               "                                                            "
               "                                                            "
               "                                                            "
               "                                                            \0"

ビルドする

Platform SDKを参照するようにします。また、KITOPTS=-zというオプションを与えることで、tzdataが含まれるようにします。他にもオプションがありますが、kitgenのREADMEファイルを読んでください。

set INCLUDE=C:\PROGRA~1\MIC1C5~1\include;%INCLUDE%
nmake -f Makefile.vc -nologo VERSION=85 KITOPTS="-z"

C:\src\kitgen\8.5\kit-msvcの中にできる、tclkit-cli.exe、tclkit-gui.exeをTclAppのprefixに指定できます。